バイクで走っていると風をもろに受けるため本来の気温以上に寒く感じますよね。
本来の気温とは別に実際に体で感じるリアルな温度を「体感温度」なんていったりします。
では実際のところ、バイクで走行しているとき、体感温度は何℃ぐらい下がるのでしょうか?
そこで今回は
- バイクでの体感温度を決める6つの要素
- バイクでの体感温度の計算方法
- 体感温度の上げ方
について話していきます。
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バイクの体感温度を左右する6つの要素
バイクの体感温度を左右するものにはおもに次の6つがあります。
気温
当たり前ですが体感温度を決定する要素としては気温がまずベースになります。
風
気温に続いて体感温度を左右する重要なのものが「風」です。
風は体にある熱を飛ばしてしまうのでこれにより体感温度が下がります。
バイク走行中はこの「風」を普段よりも激しくあびることになるので、体感温度をいちじるしく下げることになります。
湿度
湿度も体感温度に影響してきます。
たとえば夏に雨が降ると余計ジメジメして暑い、という経験をしたことがある人は多いのではないでしょうか?
基本的に湿度が上がると体感温度も上がると言われています。
エアコンにも「ドライ」ってボタンがだいたいついていますよね。これは湿度を下げることで体感温度を下げるはたらきがあります。
ただし気温が10℃以下の場合だと湿度が上がるにつれ体感温度は下がるようになります。
たとえば冬に雨が降ると体中が冷えてとても寒く感じますよね?
日射
あつ~い夏を想像してみてください。
天気は快晴。
カンカンに日が照っている状態。
その中である場所だけ木陰になっていました。
・・・そこだけ涼しいのが想像できますよね?
逆に冬の場合だと日陰にいるよりも日光を直接浴びるほうが温かいですね?
というわけで日射のあるなしも体感温度に大きく関係します。
服装
同じ気温であっても服装を変えることで体感温度は大きく変わります。
体質
世の中には「寒がりな人」や「暑がりな人」がいますよね。
一般的に筋肉量の多い人の方が熱を発しやすく、体感温度は高くなります。
逆にボクみたいにガリガリな人は冷え性の人が多いですよね。
冬のバイクでの体感温度を計算すると・・・
では実際に体感温度を計算するにはどうしたらいいのでしょうか?
よく言われるのが風速1mにつき体感温度が一度下がるという説です。
これをさっそく実際に当てはめてみましょう。
気温35℃、時速120kmで高速を走ったとします。
風速を計算するには
- まず時速120kmを分速にすると、120÷60で2 分速2km
- 分速2kmを秒速にすると2÷60で0.0333… 秒速0.0333…km
- 0.0333kmをmに直すと約33m
すなわち風速33mになります。
(もっと簡単にいうと時速を3.6で割れば風速が出てきます。)
風速1mにつき1℃下がる計算だから35℃を時速120km(風速33m)で走ると体感温度は2℃になる計算になります。
・・・いくら120kmで走行してもさすがに真夏に2℃はないですよね。。
風速1mで1℃下がる説は信ぴょう性がいまひとつということで、他の説を持ってきました。
「 ミスナールの計算式(改良版) 」という割と有名っぽい計算式なのですが、
Tm = 37 – ( 37 -t) / ( 0.68 – 0.0014h + 1 / A ) – 0.29t × ( 1 – h / 100 ) A=1.76+1.4v0.75 |
という数学の苦手なボクには意味不明な式になっています。
体感温度を簡単に計算できるサイト
この意味不明な式を解くのはボクには難しく途方に暮れていたところ、そんなボクでも簡単に体感温度が計算できるサイトを発見!
気温、湿度、風速にそれぞれ数値を入れて「計算」のボタンを押せば、上のミスナール式(改良版)で自動的に体感温度を計算してくれるという、なんともありがたいサイトです^^
(↓のURLからいけます)
さっそく
- 気温35℃
- 湿度30%(平均的な湿度)
- 風速33m(時速120km)
で入力してみると・・・
「体感温度27℃」
と出てきました。
さっきの「体感温度2℃」と比べるとかなりそれっぽい数値です。
たぶんだけどこのぐらいが実際の体感温度に近いのでしょう。
もちろん他にも日射などの要素もあるので絶対的な数値というわけではありませんが。。
条件別にバイクの体感温度を計算してみた
上のサイトを利用して、実際にいろんな速度・温度でバイクの体感温度を計算してみました。
速度 | 気温 | 体感温度 | 温度差 |
---|---|---|---|
30km/h | 10℃ | -1.1℃ | -11.1℃ |
30km/h | 20℃ | 10.2℃ | -9.8℃ |
30km/h | 30℃ | 21.6℃ | -8.4℃ |
60km/h | 10℃ | -2.9℃ | -12.9℃ |
60km/h | 20℃ | 9.1℃ | -10.9℃ |
60km/h | 30℃ | 21.1℃ | -8.9℃ |
120km/h | 10℃ | -4.4℃ | -14.4℃ |
120km/h | 20℃ | 8.1℃ | -11.9℃ |
120km/h | 30℃ | 20.7℃ | -9.3℃ |
気温が低いほど実際の温度と体感温度の差は大きくなることが分かりますね。
確かに実際に走ってても冬の方が走行中とそうでないときの差が激しい気がします。。
この表だと10℃の気温のときに120km/hで走ると体感温度はなんと-4.4℃になってますね。
60km/hでも-2.9℃ですから冬のライディングは体感としてはほとんど氷点下を走ってることになります。
バイク走行中の体感温度を高くするにはどうしたらいい?
ではバイク走行中に体感温度を高くするにはどうしたらいいのでしょうか?
最初に挙げた6つの要素の中で自分の力でどうにかなるものを探してみます。
まず
- 気温
- 風
- 湿度
- 日射
の4つに関しては、自然が決定するものなので自分の力だけではどうしようもないですね。
残ったのは
- 服装
- 体質
の2つになります。
体質はある程度、筋トレや食事などで自分で変えることも可能ですがそれにはかなりの時間がかかります。
ぶっちゃけ体感温度上げるためにそこまで努力したくないですよね(笑)
それに体質で上がる体感温度にも限界があります。
というわけで体感温度を自力で上げるのにもっとも手っ取り早い方法が服装を変えることです。
まあ当たり前っちゃ当たり前ですよね^^
体感温度を上げるための服装
体感温度を上げるための服装で重要になってくるのが保温性・防風性の2つです。
体の熱を逃がさないようにする保温性は欠かせませんし、走行中の風をシャットアウトする防風性もバイクではとても大事になってきます。
以上の二点をふまえた理想的な装備がこちらです。
- 頭=フルフェイスorシステムヘルメット
- 首=ネックウォーマー
- 手=ウィンターグローブなど
- 上半身=インナー+電熱ウェア+ウィンタージャケット
- 下半身=インナーパンツ+ウィンターパンツ
- 足=厚手の靴下+ブーツ
ヘルメットは風を通さないためにもフルフェイスかシステムヘルメットがいいでしょう。
ジェットはけっこう風がビシビシあたって寒いです。半ヘルはもはや論外。。
首元に関しては、首を冷やさないと同時に首から風が侵入してくることを防ぐためネックウォーマーが必須です。
またヘルメットの隙間から風が入ってくることも防いでくれます。
手は冬用のウィンターグローブ、もしくはお金に余裕があれば電熱グローブやグリップヒーターなどを使うのもおすすめです。
上半身はアウターには防風性の高いジャケットを着るのがベストです。
バイク用のウィンタージャケットは走行風に対して抜群の防風効果があるのでおすすめです。
アウターの下に着るものですが、これは個人的には「電熱ウェア」が圧倒的におすすめ。まるでこたつに入りながら運転しているかのような温かさを味わえます(笑)
下半身はインナーパンツにバイク用のウィンターパンツをはくのがおすすめ。
もしくは「インナーパンツ+普通のジーパンなど+オーバーパンツ」という組み合わせもいいでしょう。
足元は厚手の靴下+ブーツで十分です。
より詳しい装備やおすすめのアイテムは以下のページで紹介しているので参考にしてみてください。
バイク走行中の体感温度の低下は激しく、冬であれば実際の気温より10℃以上下がるなんてことも当たり前です。
体感温度をなるべく下げないよう、しっかりした冬の装備で走りましょう。