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突然知らないおっさんとタンデムするハメになった話

バイクいろいろ

注)タンデム=バイクの二人乗りのこと

かわいい彼女を後ろに乗せてイチャイチャしながらタンデムがしたい!

男なら誰もが一度は妄想したことがあるんじゃないでしょうか?

もちろんボクもこの妄想は何万回もしたことがあります。

しかし、ボクの人生初めてのタンデムは知らないおっさんとでした。

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初めてのタンデムは怖い

当時ボクは20才。

新聞配達のアルバイトをしていた。

その日も朝1:30ごろから配達開始。

事件は配達もおわりに差しかかった3:00過ぎぐらいに起きた。

「ん?配達先マンションの前にフラフラしてる奴がいるな。。」

おそらく酔っ払いだろう。

以前、新聞配達中にヨッパライに殴られたことのあるボクは、また絡まれることを恐れ、そのマンションは後回しで配ることに決めた。

「なんだよ…まだいるじゃん…」

しばらくしてそのマンションまで再び来ると、まだその酔っぱらいはフラフラしていた。

そのとき!!

「おーい!」

酔っ払いがボクに向かって大声で話しかけてきた。

どうする俺?

ここで無視したところで、結局あとでこのマンションに配達しなければいけない。

あとで戻ってきて、もしこのオッサンがまだここにいたら「なんでお前無視したんだ?」と絡まれかねない…!

ボクはおっさんの話を聞いてみることにした。

殴られた時のトラウマがよみがえる。

また殴られるのか?

心臓はバクバク状態だ。

「お兄さん、駅までのせてってくれない?」

おっさんはボクを殴るために話しかけたワケではなかった。

新聞配達員のボクをタクシー代わりにしようとしていたのだ。

しかしシートの後ろにはまだ大量の新聞が残っている。

そこにオッサンの座るスペースはなかった。

ボク「すみません。新聞が載ってるんでちょっと・・・」

おっさん「いいから、いいから^^」

おっさんはそういうと、新聞の上に勝手に座り始めた。

え、新聞の上に座るんですか?

そう思ったけど、ここでダメだと断ったら一変しておっさんが殴りかかってくるかもしれない。

あるいは強引にバイクを奪って逃げられる可能性もゼロじゃない。

・・・ボクはおっさんが新聞の上に座ることをしぶしぶ許すことにした。

バイクから振り落とされないようにボクを後ろからギュッと抱きしめるオッサン。

さぶイボが体中に出た。

怖い。。

初めてのタンデムは怖いっていうけど、たぶんボクがこの時感じた「怖い」とは意味が違うだろう。

ボクはとにかくこのオッサンを刺激しないようにしようとやさしく接した。

ボク「走りますよ?大丈夫ですか」

おっさん「OK!いいよ♪」

おっさんが落ちないように、スピードは20~30kmぐらいの超スローペースで走るボク。

バキに出てくるワンシーンみたいに、いろんなことが同時に頭に浮かんできた。

タンデム怖い

ノロノロと走ること2、3分。

駅の近くまで来た。

「あ、その辺でいいよ。あと自分で歩けるから^^」

そういうとオッサンはバイクから降り、なにやら財布をゴソゴソしだした。

どうやらボクにお金を払おうとしてくれてるようだ。

なんだ意外といいオッサンじゃないか^^

「いや、そんなの全然いいですよ^^」

とっさにいい人ヅラしてお金の受け取りを拒否するボク。

知らない人にはいい人ヅラしたがるボクらしい対応だ。

「あらそう?ありがとね兄ちゃん♪」

そういうとオッサンは暗闇の中に消えていった。

お金を受け取らなかったことを後悔すると同時にボクの初タンデムは終わった。

ちなみにこの事件が起こって以降、いま現在に至るまでタンデムをしたことは一度もない。

ボクの人生唯一のタンデム経験はこの知らないオッサンとのものだけだ。