今はそこそこ話すようになったが、小学生時代の僕はまったくしゃべらない少年だった。
おそらく学校一無口な男だったと思う。
もちろんそんな人間に友達ができるハズがない。
案の定ボクはいじめにあった。
クラス全員から壮絶なイジメにあうというワケではなかったが、一部のサイコパスみたいな人たちの格好のターゲットになっていた。
彼らからすれば、友達がいない無口な人間ほど攻撃しやすいものはない。
どんなにヒドイ仕打ちをしようが一切反撃される心配がなく、誰かにチクられる恐れもない。
まさにやりたい放題なのだ。
具体的いじめの内容
イジメの内容を具体的に言うと
- ホウキでぶたれる
- 突然うしろから蹴られる
- 私物を堂々と盗まれる
- ざぶとんを踏みつけられる
- プリントを自分のだけ破いてから渡される
- 存在を否定されるような口撃を毎日浴びせられる
まあザッとこんな感じである。
大したことないじゃん?って思うかもしれないけど、実際やられる側としては結構つらかった。
友達がおらず、全て自分の中で処理するしかなかったため、余計につらかったのだろう。
ただ当時のボクはこれが当たり前の生活だったため、自分がいじめられてるとの自覚もなかった。
イジメてきた人間の人物像
イジメてきた側の人間はどんな人物だったか?
明らかに将来不良になりそうなDQNタイプもいたが、割とみんなから愛されるような優等生タイプもいた。
DQNタイプはさほど隠さず堂々とやってくる一方で、優等生タイプは誰もいなくなった途端に態度を変え、暴行や口撃を加えてくる。
子供ながら卑怯で陰湿だった。
学年が上がるにつれ、優等生タイプの人間はあからさまなイジメはしてこなくなる。
ただし似たような友達の少ない人間を小馬鹿にしているシーンは何度も見かけた。
根本的な人間性はおそらく変わっていないのだろう。
家に帰っても居場所はなかった
当時、家に帰っても居場所がなかった。
母親は夕方5時ぐらいに帰ってくる。
そして帰ってくるたびにボクはなぜか怒鳴られた。
「なんでまた家にいるんだ!」
他の子どもたちは友達と遊んでるのに、僕だけ毎日家にいるのが母親にとっては許せなかったらしい。
息子に友達がいないせいでママ友ができず、それが気に入らなかったのだろう。
ボクはただ家にいるだけで毎日のように怒られた。
「遊びに行くまでゲームは禁止だ!」
さらにボクは小学校の途中からTVゲームが禁止になった。
当時、超いい子だった僕は母親のいいつけを守り、一切ゲームをやらなかった。
しかしそれでも母親は毎日ボクは怒鳴り続けた。
ひどいときには友達でも何でもない奴にムリヤリ電話をかけさせられたこともあった。
誰でもいいから電話をかけて遊びに行けというのだ。
いやいや、そんな友達でも何でもないボッチから急に電話かかってきたら怖いじゃん。
明らかにオカシイことなのだが、当時のボクは母親に反抗できない超マジメぼっちゃんだったので、家にいなさそうな子を狙って電話を掛けた。
運よく、その子は家にいなかったようで事なきを得たが、今考えるととんでもない行動を強制させられたもんである。
嘘をつくようになった少年
そんな日々に耐えられず、ある時からボクは母親に嘘をつくようになった。
友達の家に遊びに行くと言い、ブックオフへ時間を潰しに行くようになったのだ。
ブックオフで時間を潰したあと家に帰ってくると、母親はすこぶる機嫌がよくなり、しばらくの間はゲームをやってもいい日々が続く。
ただそこから数週間たつと、再び母親は怒鳴るようになり、また僕は嘘をついてブックオフに行く…という繰り返しがしばらく続いた。
嘘をついてやるゲームは罪悪感でいっぱいだった。
いつバレるか分からないという不安も常について回った。
おやじ
父親はどんな人間だったか?
ひとことで言うとメチャクチャ短気な親父だった。
店員を怒鳴りつけたり、電話をかけてきた相手に怒鳴りつけたり、毎週のように親父が大声を上げてキレるシーンを見てきた。
一度警察を呼ばれたこともある。
そしてボクも親父にキレられる対象だった。
親父は基本的に人が失敗したり、ムキになったり、嫌がってるのを見て笑うタイプの人間だ。
昔からよくボクをからかってきた。
あまりのしつこさにボクが反発すると、いきなり親父はボクを怒鳴りつける。
顔を真っ赤にし、チンピラのような口調で怒鳴りつけるのだ。
ときには灰皿を投げつけてきたこともあった。
ドアを殴って穴をあけたこともある。
結局ボクは黙って親父にからかわれ続けるしかない。
小学校高学年ぐらいから、親父とはほとんど口を利かない関係になった。
おわり
学校ではイジメられ、家にいるだけで母親に怒鳴られ、父親からはからかわれ続ける。
そんな小学校時代だった。