横断歩道を歩行者が渡ろうとしているとき、みなさんは一時停止していますか?
JAFの調査によると信号のない横断歩道で一時停止をしない車は90%以上にも及ぶそうです。たしかに自分の地域でも横断歩道で一時停止をする車の方が圧倒的に少ないですね。
ですが実は横断歩道を歩行者が渡ろうとしている時に一時停止をしないと道交法違反になります。
しかし正直な話、違反といってもこれに関しては一概に悪いとは言えないのじゃないかというのがボクの私見です。実際ボク自身、横断歩道での一時停止を必ず守っているかと言えば「YES!」とはいえません。
そこで今回は、横断歩道で一時停止しないとどんな処罰になるのか、また横断歩道で車が止まらない理由について解説します。
歩行者がいる横断歩道では一時停止しないと違反になる
横断歩道を渡ろうとしている歩行者がいる場合、一時停止をしないと違反になります。これは道路交通法にもしっかりと明記されています。
道路交通法 第三八条
1 車両等は、横断歩道又は自転車横断帯(以下この条において「横断歩道等」という。)に接近する場合には、当該横断歩道等を通過する際に当該横断歩道等によりその進路の前方を横断しようとする歩行者又は自転車(以下この条において「歩行者等」という。)がないことが明らかな場合を除き、当該横断歩道等の直前(道路標識等による停止線が設けられているときは、その停止線の直前。以下この項において同じ。)で停止することができるような速度で進行しなければならない。
この場合において、横断歩道等によりその進路の前方を横断し、又は横断しようとする歩行者等があるときは、当該横断歩道等の直前で一時停止し、かつ、その通行を妨げないようにしなければならない。
上の分を要約すると、
- 横断歩道周辺に歩行者や自転車がいないことが明らかにわかる場合以外は、いつでも止まれるようなスピードで走らなければいけない
- 横断しようとしている歩行者、自転車がいる場合は必ず一時停止しなければいけない
ってことですね。
逆に言うと横断歩道付近に明らかに歩行者がいなければ減速せずそのまま走っても構わないということです。
一時停止をしなかった場合の罰金
横断歩道に歩行者がいるのに一時停止を行わなかった場合「横断歩行者等妨害等違反」となり 、罰金を払わされる可能性があります。
普通の車であれば9000円、バイクであれば7000円、原付の場合は6000円の罰金。さらにこれに加えて点数が減点2点という処分まで下されることになります。
個人的にはちょっと厳しすぎじゃね?って思いますね。
っていうのもこのあと詳しく述べますが、横断歩道前で一時停止をしないのは必ずしも悪いとは言えないと思うんですよね。
一時停止を怠った場合の罰金
- 普通車→9000円
- バイク→7000円
- 原付→6000円
さらにこれに加えて2点減点
横断歩道で車が一時停止しない理由
冒頭で述べたように横断歩道前の一時停止をしない車は90%以上に及びます。実をいうと僕自身も毎回ではありませんが横断歩道前で止まらないことはあります。
では、いったいなぜ一時停止をしないのか。
僕が一時停止をしないときの主な理由をあげていきます。
一時停止すると後ろから追突される危険がある
自分が横断歩道前で止まろうと思っていても後ろの車はまったく止まることなど考えていないということはよくあります。そうした場合、下手したら後ろの車に追突されるなんていうことも十分起こりうる話です。
とくに車間距離が狭い車なんかの場合は止まるとかえって危険です。自分の身の安全、歩行者の身の安全を考えてあえて止まらないというのも状況によっては仕方ないのではないでしょうか。
一時停止するよりもそのまま通った方が結果的に歩行者は早く渡れる
後続に車がいなく自分一台だけの場合、わざわざ停止するよりもそのまま行っちゃった方が早いんじゃないかというケースは良くあります。
歩行者側からしても車が先に行ってくれた方が気を遣わずのんびり渡れるため、そっちのほうがいいという歩行者も少なくないです。車が一時停止すると早くわたらなきゃ!って思う歩行者も多いですからね。
っていうか実際ボクが歩行者で車が一台しかいない状況だったら、どっちかというと車には先に行ってほしいと思っちゃいます。
自分が一時停止しても対向車線の車が止まらない
自分が一時停止しても対向車はなかなか止まらないというケースもよくあります。
このケースで一番危険なのが、自分が停止したことによって歩行者が「急いで渡らなきゃ!」と思い、急いで渡ろうとしたところに対向車線からの車にはねられるというパターン。
実際に起こった例も何度もあるそうです。
止まっても歩行者に先に行くように促されることが多い
これは僕も実際に何度も経験しているのですが、横断歩道で一時停止すると、歩行者に「先に行っていいよ」と手振りで合図されることが良くあります。
先ほど述べたようにのんびり渡りたいから先に行ってくれというケースや、そもそも渡るつもりがないというケースも多いようです。
後ろの車が追い越してくる危険がある
横断歩道で一時停止をしようとしたとき、これが正直一番怖いです。
前の車がなぜ停止したのかわからない後続車が追い越してくるのです。歩行者もまさか止まった車の後ろの車が追い越してくるとは思わないですから、はねられる危険性が高くなってしまいます。
最近横断歩道で止まった車が追突される事故が多い。横断歩道で止まるルールはもちろん知ってるけど正直僕は止まらないこともある。とくに車間距離を取らない車が後ろの場合はほぼ止まらない。というのも車間距離さえ取れない奴はこちらが停止したら追い抜いてく可能性が高いから。バイクだと特にそう。
— シバショー (@shibasho0) 2020年1月1日
また僕はバイクによく乗るのですが、バイクだととくに横から追い越されがちなので、一時停止する際は抜かれないようにやや右寄りで停車し、しっかり後続車をチェックするようにしています。
逆に車の場合だと原付などが左からすり抜けてくるという危険もあります。これには左を詰めてブロックしたいところですが、左を詰めれば今度は右から車が追い越してくる可能性もあるのでなかなか難しいところです。
なので僕の場合すぐ後ろを原付が走ってる場合は基本止まりません。安全確認が未熟な原付は止まるや否やすり抜けしてくる可能性があるからです。
この場合一時停止をした結果、歩行者をかえって危険な目に合わせることになるのです。
横断歩道での一時停止無視は一概に悪いとは言えない
横断歩道での一時停止無視が他の法律違反と大きく違うのは、単に身勝手からくる違反ではなくそれが歩行者の安全を考えた結果の違反であることも多いという事です。
上で述べたように横断歩道での一時停止によってかえって歩行者が危険にさらされるケースはすくなくないです。
確かに違反をすることは良くないですが、法律よりも人の命を重視するというのは人間として間違ってないと思います。
こういう事件があると後ろから追突する奴が悪いっていう話になる。もちろんそれはそうなんだけど、そういう奴がいるのを想定するってことが大事だと思う。法律通り止まれば自分は悪くない、ではなく一番に優先するべきは歩行者の安全であって、周りの状況次第で柔軟に対応するのが大事なんじゃないかと
— シバショー (@shibasho0) 2020年1月1日
たとえば自分が止まった結果、対向車線から来た車に横断者がはねられた場合、本来悪いのは完全に対向車線の車ですが、かといって実際そう簡単に割り切れるもんではないと思います。
「はねたやつが悪いんだから俺は関係ないや」
とはとても思えないでしょう。
僕が停止した立場だったらたぶん一生後悔すると思います。自分が止まらなければこんなことにはならなかったって。
まとめ:横断歩道での一時停止無視は違反だけど…
歩行者のいる横断歩道では一時停止しないと違反になりますが、正直何が何でも優先するべきというものではないと思っています。一番に優先するべきまず「歩行者の安全」です。
もちろん本来は横断歩道前では歩行者優先なので止まるのが義務であり基本です。ただ周りの状況を見た上で止まる方がかえって危険になりそうなら、そのまま行くのもやむを得ないのではないかというのが結論です。
僕の場合、自身や後続車が安全に止まれ、かつ歩行者が危険にさらされることがないような状況が確認できるときは一時停止するようにしています。