世の中は統一教会で騒ぎ過ぎだ。
安倍元首相が亡くなってから3ヶ月間、毎日のようにワイドショーは統一教会を取り上げている。
ネットも同様に統一教会の話題で連日大盛りあがり。
正直なところ、もう統一教会騒動にはうんざりしている。
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統一教会で騒ぎすぎ、もううんざり
世の中はなぜこんなに統一教会で騒いでいるのだろうか?
調べてみると以下の3つが主な理由のようだ。
- 自民党と統一教会との関係に問題があると思っている
- 政府が統一教会に対してしかるべき措置を取らないことを問題に思っている
- 統一教会をとにかく潰してほしい
自民党と統一教会との関係は何の問題もない
世の中には自民党と統一教会との関係を問題視している人間が多いらしい。
だが結論から言うと、自民党と統一教会との関係は法的には何の問題もない。
「政教分離」という言葉を使って政府と統一教会との関係を批判している者もいるが、彼らは政教分離の意味を誤解して使っていると思われる。
政教分離とはもともと信仰の自由を支えるためのものであって、宗教団体との接触を禁じるものではない。
さも大問題であるかのように取り上げているが、これまで報じられている程度の接触は本来なら騒ぎ立てるような話ではないのだ。
自民党が統一教会に乗っ取られているという陰謀論
「統一教会に政権が乗っ取られてるんだ」
「政府は統一教会に操作されているんだ」
こんなコメントもよく目にするが、これは反論するのも馬鹿馬鹿しいレベルの陰謀論である。
信者数2万~8万程度の集団が得票数1,500万超えの自民党に与える影響などほとんどないのは、義務教育レベルの知識があれば分かることだ。
こうした陰謀論を鵜呑みにする人間こそカルトにハマらないように注意した方がいい。
そもそも安倍政権の自民党が2013年に消費者裁判手続特例法を成立させ、2018年には消費者契約法を改正した結果、霊感商法の被害額はピーク時の1/50まで激減している。
これは統一教会からすれば自分たちを苦しめる政策といっていいだろう。
陰謀論者が言うように自民党が統一教会とズブズブで、統一教会が政権をコントロールする能力を持っているのなら、こんな法案を通すはずがない。
この消費者契約法改正に対して「野党の追及のおかげだ」という意見もある。
だが法案を成立させるには最終的に与党が通す必要があるため、結局のところ安倍政権が改正に賛同している事実は変わらない。
統一協会を潰してほしい?
「統一教会をとにかく潰してほしい」
連日流される統一教会の非道な行いに対して、義憤を覚える者もいるだろう。
だが現実的に考えると、政府にできる効果的対策はそれほどないのが現状だ。
たとえば「統一教会に解散命令を出せ!」なんて声はよくあがる。
解散命令を出すことが統一協会の殲滅につながると思いこんでいるのだろう。
だが現実はそう単純なものではない。
まず解散命令とは団体を解散させることではなく、宗教法人格を取り上げることである。
これによって非課税優遇が剥奪され、統一教会を経済的に追い詰める効果は多少期待できるかもしれないが、集まること自体を禁じられるわけではない。
それどころか解散命令はむしろデメリットのほうが大きい可能性もある。
デメリットのひとつは地下に潜り、実態の把握が難しくなること。
もうひとつは責任者不在になることで被害者への賠償が進まなくなる危険性があることだ。
また非課税特権が剥奪されると言っても、韓国に直接献金したり、信者からの献金額を増やすなど対策はいくつも考えられる。
そもそも過去の判例から考えて、統一教会に解散命令を出すのは現実的にかなり厳しい。
これはほとんどの法律家で意見が一致している。
もしも世論に押された結果、超法規的に解散命令を出すようなことがあれば、それは法治国家の崩壊であり、日本が人治国家となることを意味する。
統一教会に反カルト法は無理
「フランスのように反カルト法を導入するべきだ」
こんな意見も多い。
だがちょっと調べれば分かるように、フランスの反カルト法は実際にはほとんど機能していない。
反カルト法が成立してから現在まで、実際に解散させた数は0だという。
というのも宗教は形而上の問題であるため、誰もが納得するような基準を設けることが非常に難しいのだ。
たとえばAという悪質なカルト団体を罰するために基準Xを設けたとする。
するとA以外の団体も基準Xに抵触してしまい、それらの団体から猛反発を受けてしまう。
Aだけを罰する基準を作るのは現実的には困難を極めるのである。
これは日本でも変わらない。
統一教会だけでなく、伝統的な宗教(たとえば仏教やキリスト教など)にも献金システムはあるし、信仰がなければ地獄に落ちるといった脅しも同様にあり、多かれ少なかれ似たような被害も発生している。
統一教会を罰する法律を作ろうと思えば、ほかの団体もそれに抵触してしまうため、そう簡単に統一教会だけを罰する法律というのは作れないのだ。
とくに与党には公表800万世帯超えの信者数を誇る公明党(創価学会)がいるため、反カルト法を実現するのはかなり厳しいだろう。
まあ野党はそれらを理解したうえで与党を追求するパフォーマンスをし、感情論に流されやすい層の獲得を狙っているのだろうが……
統一協会叩きのデメリット
「統一協会を叩く行為は正義であり、統一教会叩きを止めさせるような発言をする人間は悪だ」
世の中ではこんな思想が幅を利かせている。
しかしこれが本当に被害者のためになっているか?……というと単純にそうとも言い切れない。
以前までカルト宗教の信者を脱会させるにはディプログラミングという方法が主流だった。
これは信者を強引に教団から引き離し、短期間で信者を脱洗脳しようという方法だ。
ただしディプログラミングには
- 失敗すると却って信者からの敵対心を強めることになる
- 法律に違反するケースがたびたびある
- 一度脱洗脳しても数日後にまた戻ってしまうことが少なくない
- 根本解決にはならず、また別の依存対象を見つける
- 脱会後に精神的な疾患が生じる
などのデメリットがある。
こうしたデメリットからディプログラミングは批判を受け、現在ではイグジットカウンセリング(脱会カウンセリング)という方法が主流になっている。
これは信者に共感を示しながら中立的な姿勢を保つことで、信者に心を開かせる方法だ。
最初は教団に好意的な発言ばかりしている信者も、そのうち矛盾点や不信感を語り始める。
心の中にあるものを言語化する過程で、信者の頭の中は整理され、自ら教義のおかしさに気づくことも少なくないという。
人は心の中にある無自覚なものに支配されやすい。
だがその正体を言語化することで自覚してしまえば、その支配力はドンドン弱まっていくのだ。
最初から宗教団体の悪いところを指摘すれば彼らは聞く耳を持たず、それどころか信仰心や敵対心を強めてしまうリスクが高い。
それに対しイグジットカウンセリングでは、教団以外の人間に対して信者の心を開くことができ、時間はかかるが低リスクで信者を脱会させることが期待できる。
(もちろんそう上手くいくケースばかりでもないが)
だが現在の統一教会叩きはどうだろう?
ただひたすら叩くだけでは、却って彼らの世間への敵対心を強めるだけではないだろうか?
これは学術的にも心理的リアクタンスという言葉で説明できる。
否定されたり自由を侵害されたりすると、それに抗いたくなる傾向性が人間にはあるのだ。
パブロフの洪水
ベルを鳴らすとヨダレが出るパブロフの犬の話は聞いたことがある人も多いだろう。
だがこのパブロフの犬の話に続きがあることはあまり知られていない。
あるときパブロフの犬たちは洪水に巻き込まれて溺れ死にそうになった。
幸いにも間一髪のところで救助されたのだが、注目したいのはその後だ。
事件後パブロフの犬たちはベルを鳴らしてもヨダレを垂らさなくなり、さらに性格が一変してしまったのである。
以前大人しかった犬は人を噛むなど凶暴になり、逆に以前凶暴だった犬は見違えるほど大人しくなった。
超逆説相といって、強烈なストレスに晒されると以前まで持っていた習性を失い、性格まで変容してしまうのだ。
これは人間の場合にも当てはまる。
今まで信じていたものを世間から突然大バッシングされるようになった信者は、極度のストレスから精神障害を患ったり、最悪の場合だと命を断ってしまうことも考えられる。
現にオウム事件では強制解散後、多くの信者が精神疾患に苛まれ、1年で5人の信者が自死する結果になった。
さてここまでを踏まえて、統一教会を過剰に叩くことが本当に正しいのか考えてみよう。
統一教会の悪質性を周知するには数日あれば十分であり、3ヶ月も延々やる話ではない。
また記事前半で述べたように、いたずらに騒いだところで現実的にはこれをすぐに解決するのは難しい。
それどころか攻撃することで却って結束や反発を強めたり、被害者に精神的ダメージを与えてしまうリスクも決して低くない。
騒ぐことで得をするのは自民党を貶めたい野党や、視聴率が稼げるマスコミぐらいだろう。
ワイドショー教会とカルト団体
カルト教団が使うマインドコントロール手法と、ワイドショーや一部の野党が使っているマインドコントロール手法はよく似ている。
連日同じ情報を流すことで印象を操作し、世論を単純な善悪2元論に向かわせ、自分たちは正義の味方であると思わせる。
その真の目的は自分たちが利益を得ることにほかならない。
ワイドショーは視聴率、野党は自分たちの支持率を上げるのが目的だ。
そもそも連日テレビで正義のヒーローのように扱われている人間の過去の言動や経歴を調べてみてほしい。
一人は党派性丸出しでダブスタだらけ。
もう一人は以前から安倍氏を批難し続けている。
もう一人は過激極左集団と親交がある。
これは大問題ですね。反社会的勢力との関わり。アウト。 https://t.co/ansbeGdrs6
— 上念 司 (@smith796000) July 21, 2019
また有田芳生氏と関わりの深い共産党はカルトと接点があるどころではなく、かつては共産党自体が火炎瓶を投げたりする過激派団体そのものだった。
共産党はいまだに破防法の調査対象団体に指定されている。
また一部野党とつながりがあると噂されてる革マルや中核も公安の監視対象だ。
そんな胡散臭さがハンパない彼らの言うことを鵜呑みにする一方で、少しでも中立的な意見を発信した人間に対しては
「統一協会を擁護するのか!」
と激高し、寄ってたかって袋たたきにする。
これは教義に従わない人間をすべてサタンとみなすカルト信者がとる行動と同じであり、中世の魔女狩りに参加していた人間がとる行動とも同じである。
統一教会、ワイドショー、一部の野党および左翼活動家。
ハッキリ言って、僕の目にはどれも同業社に見える。
そして彼らの言うことをそのまま信じてしまう人間の言動は、カルト信者のそれと変わらないように思える。
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