学生時代、高校1年まではとても地味で、今でいう陰キャ丸出しの見た目だった。
途中から僕はそんな自分が嫌になり、2年になると同時にイメチェンしてみることにした。
クラスメイトの指摘
当時ボクの学校でイケてるグループというのは制服を着崩すのがブームだった。
ズボンを腰で穿き、ボタンは第2ボタンまで開けるのが当時のイケてるグループの特徴だ。
ボクは彼らを真似し「腰パン&第2ボタン開け」というスタイルをするようになる。
そんなある日、クラスメイトの一人がこう言ってきた。
「お前その胸毛はセクハラだぞ」
高校時代からすでに胸毛ボーボーだったボクは、大きく前の開いたYシャツから大量の胸毛が出ていたのだ。
そうか、これはセクハラだったのか…
そのクラスメイトのおかげで、ボクは胸毛をさらして外に出ることが公共の福祉に反する行為なのだと気づいた。
それから僕は胸毛を剃り、セクシャルハラスメントな胸毛がワイシャツから出ることは無くなった。
時は流れ、大学生になる。
最初のほうは必死に陽キャのフリをし、何人かの陽キャたちと一緒に授業を受けていた。
(途中から合わせるのが辛くなり、2年以降は完全にボッチとなるのだが…)
そんなある日、一緒に授業を受けてた陽キャの一人から突然こんなことを言われる。
「おまえ胸毛そってるべ?」
たしかに首元のゆるいTシャツを着たときに見える胸元は、黒いブツブツだらけだった。
ああ、そうか。これだと明らかに剃ってるのが分かって不自然なんだな…
男同士からしたら笑い話で済むが、女の子から見たらこれは引かれてるかもしれない。。
ボクはその後、Tシャツを着たときに見える位置にある胸毛は、剃るのではなくピンセットで抜くことにした。
非情に面倒くさい作業ではあったが剃るよりも断然キレイにはなる。
これで胸毛の跡はもう気にならないだろう。
しかし数日後、同じ人物がこう言ってきた。
「おまえ手の毛剃ってんべ?」
確かに剃ってる。
当時雑誌で見た情報で
「手の甲に生えた毛は女子にキモイと思われる」
みたいなことが書いてあったため、手の甲だけ毛を剃っていたのだ。
手の甲はツルツルなのに手首の位置からいきなりボーボーになっているのが明らかに不自然だったのだろう。
とはいえ「腕毛がツルツルだと気持ち悪い」という女性の声も雑誌などで目にしている。
そこで僕は、腕から手の甲までが自然に見えるように、グラデーションっぽく腕毛をカットすることにした。
手の甲に近い腕毛はスキバサミなどでカットし、腕から手の甲がナチュラルにつながるように調整したのだ。
その後、腕毛の不自然さを指摘されることはなかったが、このグラデーションカットが正解だったのかどうかは分からない。
まあ冷静に考えてみると腕毛をグラデーション状にカットしてる男ってキモイと思う。
もちろん今じゃそんな面倒くさいことはしてないが、当時は人の目が気になって仕方ない人間だった。
体毛は結局どうするのが正解なのか?
雑誌などを見ていると、世の中には
「体毛が濃い男はキモい」
という女性と
「体毛を処理してる男はキモい」
という女性の2パターンが存在している。
いや、ひょっとしたら両方とも同じ女性が言ってるのかもしれない。
ありのままの状態だとキモイと言われ、かといって処理してもキモイと言われる。
完全に八方塞がりである。
一体どうしろって言うんだい?