最近ツイッターやヤフーニュースのコメント欄(通称ヤフコメ)などを見ていると、こんなワードを目にする機会が増えた。
「煽られ運転」
煽(あお)り運転ではなく「煽られ運転」だ。もしくは「煽らせ運転」と書いてあることもあるが意味は同じである。
どういう意味で使われているかというとノロノロ走って煽り運転を誘発する運転のことを指すようだ。要するにあおられる側(被害者側)にも問題があるんだという意見である。
面白いことにあおり運転の記事が出てくると必ずと言っていいほど「煽られ運転もどうにかしろ!」というコメントが上位に表示されるのだ。そしてそのコメントに対し「いいね」が山ほどついている。共感する人が多いのだろう。
でも僕はどうしてもこの「煽られ運転」という言葉に違和感を覚える。
まるで前の車が遅ければ煽っても良いと言っているかのような、あおり運転を擁護する言葉に感じるからだ。
いや、言わんとしていることはわかる。
確かに亀のような遅い運転をしているドライバーや、かたくなに追い越し車線を走り続ける遅い車、2車線の道路で延々と並走しているトラックを見ると「邪魔くせえなコイツ」って思うことも正直ある。
そういうドライバーに限ってミラーを見ないのか全く譲る気がないのもタチの悪いところだ。
それでもなお「煽られ運転」って言葉がどうも好きになれない。なぜだろうか?
煽られ運転と言われる動画
下の動画は「煽られ運転だ」とのコメントが多い動画である。
きっかけはおそらく前を走る黒い車が後ろから来た白い車に対し道を譲らなかったものと思われる。後ろから速い車が来た場合は譲るのが基本ルールである。
ただこちらの動画は一部を切り取ったものだから一概にどちらの方が悪いかは言えない。
この動画を見る限りはどっちも危険な運転をしているのでどっちも悪い。
コメント欄ではあおっている側の白い車を擁護する意見が多いが
- 車間詰めすぎで危ない
- 抜こうとするあまり周りの車にぶつかりそうになっている
- そもそも一般道なので白い車が飛ばし過ぎの可能性もある
- 黒い車がわざと進路をふさごうとしてることから動画の前に何かあったのかもしれない
という点から白い車にもかなり問題があると思われる。
また白い車だけでなくその後ろを走る黒い車やトラックも危険を予測して車間をもっと開けるべきである。
トラックの並走は確かにムカツク
片道二車線の道路で遅いトラックが2台で並走しているという光景をよく見る。これは確かに邪魔くさい。しかも長い距離に渡ってこれをやっているのだ。もちろんトラックの前方はがら空きの状態だ。
これはイラっとするのもわからなくはない。わざとやってんのかとすら思ってしまう。
だがもちろん「煽ってやろうか」とは思わない。
車間を詰めるということは事故の危険が増えるし、あおり運転自体みっともないし、そもそもまずルール違反だからだ。
それに仮に前の車を抜いたところでどうせすぐ信号で追いつかれて、結局は到着時間にほとんど影響はない。
煽られ運転って言葉が嫌いな理由
ここまで書いたように確かにあおり運転を誘発させるような、いわゆる「空気を読めないドライバー」は存在する。
それでも「煽られ運転」って言葉はどうも好きになれない。
その一番の理由は「煽られ運転」という言葉を使っている人間の中に、日ごろからあおり運転をしているであろう加害者側の人間も多く混ざっているからではないかと思う。
あおり運転をする側の人間がもしも先ほど挙げたような並走するトラックや追い越し車線をノロノロ走り続けるドライバーに対してだけやっているなら百歩譲ってまだわかる。
でも実際にボクが公道で見かける「あおり運転マン」は前が詰まっていようが、流れに乗っていようが、譲れない状況だろうが、おかまいなしに煽ってくるのだ。煽られてる車がゆずったら今度はその前の車を煽る。その車がゆずったら今度はさらにその前の車を煽る。
急な車線変更を繰り返して少しでも前に行きたがる。ブレーキ踏まれたらどうするんだってぐらい、ピッタリ真後ろにつける。完全に頭のイカれた連中だ。
「煽られ運転」という言葉を使っている中にはそんなイカれた連中も混ざっていて「煽らせ運転」という言葉で自分を正当化しているのではないかと思うのだ。
現にツイッターで「煽られ運転」という言葉を利用している人間の他のツイートを見てみると、いかにもといったヤンチャな車の画像や、下品な感じのツイートであふれていることが多い。実例を見せたいところだが、勝手にさらすのもまずいのでやめておく。
とにかく「コイツは日頃からあおり運転やってる側の人間だな」と思ってしまうような連中が多いのだ。
煽り運転を実際にするのとイラつくだけの人では大きな差がある
先ほども述べたようにあまりに空気を読めない運転に多少イラっとすることは僕自身もある。
というかこれは僕だけでなくおそらく多くの人が経験があるのではないだろうか?
しかしイラついたからといって実際にあおり運転までする人は少ないだろう。自分自身も危険だし周りを巻き込む危険だって増える。感情に任せて危険な運転をするのはドライバー失格だ。
現にさきほど紹介した動画でも追い抜こうとするあまり周りが見えなくなり、他の車と接触しそうになっている。
一歩間違えれば大事故になっていてもおかしくない状況だったといえるだろう。
話は少し変わるが、ときどき予期せぬ渋滞にでくわす場面がある。普段は渋滞しない場所で渋滞しているのだ。
渋滞の発生元まで行ってみると追突した車とパトカーが一車線ふさいでいる。
おそらくだがこれはあおり運転をした人間が追突したのだろう。普通に車間を取っていればそうそう追突などは起こらないものだ。
遅い車をあおるつもりが自分が事故を起こして大渋滞を起こし、周りの関係ないドライバーにまで迷惑をかける。「煽られ運転」よりもよっぽど大迷惑だ。
まとめ
以上、「あおられ運転」について持論を語ってみた。
煽られ運転という言葉を使っている人間には
- 空気の読めないドライバーを迷惑に思っている人
- 自分のあおり運転を正当化したい人
の2種類が混在していると思う。
前者に関しては正直わからなくもない。
ボクが「あおられ運転」という言葉を好きになれないのは、たぶん後者のような連中が混ざっているからだろうと思っている。
これだけメディアで騒がれているにもかかわらず、いまだに実際にあおり運転をするような人間は正直頭のネジがぶっ飛んでるとしか思えない。
そんな連中が「あおられ運転」という言葉で自分を正当化しているのかと思うとあきれるばかりだ。
最後に僕のあおり運転に対する見解をまとめる
- 煽り運転をする奴は100%悪い
- それとは別に空気読めないドライバーがうざいというのは分かる