「ロックダウンをするつもりはない」
というニュアンスの発言をした菅総理に対し、ネット上では非難の声が殺到しています。
どうやらネット世論ではロックダウンを希望している人間が多い様子。
日本最大級のニュースサイト『ヤフーニュース』のアンケートでもこんな恐ろしい結果が出ていました。
仮にロックダウンをできたとしても、結果は苦しむ人の数のほうが圧倒的に多くなるんじゃないか?
…というのは置いといて、そもそも
『ロックダウンには効果がない』
という論説は以前から言及されているんですよね。
今回はその理由を最新のデータを踏まえて話していきます。
ロックダウンした国とそうでない国で差が見られない
ロックダウンに効果がないという一番の根拠は
ロックダウンした国とそうでない国で差が見られないこと
ですね。
下の図はアメリカの各州における規制の厳しさと死亡者数を表したグラフ。
横軸が規制の強さ、縦軸が死亡率です。
…バラバラで何の規則性もありませんね。
要するに規制の厳しさと死亡率の相関関係はないと見れます。
別の例↓
ロックダウンやってても増える時は増える -> カリフォルニア
ロックダウン解除しても増えるわけではない -> フロリダ
ロックダウンしなくても、勝手に減る -> サウスダコタ
ハワイ:思考停止状態の知事 pic.twitter.com/0gUTpySEND
— Kan Nishida 🇺🇸❤️🇯🇵 (@KanAugust) March 6, 2021
さらにもう少し具体例をあげると、
PCR検査をいち早く導入し、他国よりも厳しいロックダウンを行ってきたペルーの人口当たりの死者数は世界で1位。
同じく厳しいロックダウンを続けてきたフランスの人口当たり死者数は、ゆるゆる規制だったスウェーデンよりも高い数値。
「ニュージーランドやシンガポールでは抑えられてるじゃないか」
との意見もありますが、これは感染が広まる前の初期段階で運よく対策できたレアケース。
一度感染が拡大してからロックダウンを成功させている国はほぼ存在しません。
↑の記事では、
感染初期において移動制限をすることはある程度効果が認められるが、感染が蔓延した後のロックダウンは効果なし。
…ということが、論文に基づいて詳しく解説されています。
また最近ではオーストラリアのシドニーでロックダウンが行われていますが、感染者数は増える一方の状況。
Great lockdown success in Sydney. pic.twitter.com/T66oqwmxNV
— Prof. Freedom (@prof_freedom) August 3, 2021
Natureに掲載された論文
世界で最も読まれ、最も権威のある学術ジャーナルである『Nature』に掲載されたのが以下の論文。
簡単に要約すると
世界中の87の地域を比較したところ、98%の地域で”ステイホーム”によって死亡率が低下することを証明できなかった
という内容です。
Natureは査読済みの論文を掲載していて歴史あるメディアなので、この報告はかなり信頼できるもの。
要するに世界の最先端の研究でロックダウンの効果が疑問視されてるワケです。
人流と感染者数の相関関係はない
人流と感染者数の相関関係を否定するデータは数多く出ています。
たとえば日本においても、以下のグラフでは全く両者の相関関係が見られません。
また感染拡大の原因と言われがちな”Gotoトラベル”もその因果関係は否定されています。
緊急事態宣言はピークアウト後に行われている
「第1波や第3波では緊急事態宣言のおかげで感染者が下がった」
と思ってる人が多いと思うんですけど、これもよくよくデータを見ると疑問なんですよね。
というのもどちらの例もピークアウトした後に緊急事態宣言を出してるんですよ。
↑のグラフが第一波。
やや見づらいですが、4月3日に発症ピークを迎え、すでに感染者数が減り出してる4月7日に緊急事態宣言を出しています。
さらに感染から発症まで潜伏期間が平均4.8日ほどあると言われているので、それを考えればなおさら緊急事態と関係なく感染者数が減ってることが伺えます。
厚労省によると「感染から発症までの潜伏期間は1日から12.5日(多くは5日から6日)といわれています。」だそうなので、感染日ベースならもっと空振り。 pic.twitter.com/ol9JIwJpes
— MiyuMotohashi (@MiyuMotohashi) January 24, 2021
↑これが第3波。こちらの方が分かりやすいですね。
第1波同様、感染者がすでに減り出した後で緊急事態を出してることは明らかです。
これらのデータから
「緊急事態を出さなくても自然に収まったんじゃないか?」
という意見を持つ専門家の人は少なくありません。
規制を撤廃したイギリスの今
自粛と感染者数に相関関係がないことを示す好例がイギリス。
イギリスは今年7月に感染者数がドンドン増加し、5万人にまで達した段階で、なんとこれまでの規制を撤廃しました。
ところがこの規制撤廃を発表してからのイギリスは新規感染者の数が減っているのです。
要するに
感染者数は自粛や人流とは関係なく、ある程度までいけば勝手に下がっていく
という仮説が成立するんですよね。
こうした傾向はイギリスだけでなく様々な国で見られます。
日本の第1波や第3波も緊急事態宣言よりも前に減少傾向に入っていたので、この説には信ぴょう性があるといっていいでしょう。
第2波にいたってはgotoを開始した少し後から減少し、3か月ほど一向に増える気配がありませんでしたからね。
ロックダウンのデメリット
ロックダウンに効果がないかどうかは別にしても、ロックダウンにはデメリットが必ずついて回ります。
具体的なロックダウンのデメリットは…
- 失業率の増加
- 免疫力や体力低下
- 精神疾患の増加
- 収入の低下
- 自殺者の増加
- 子供の発育における悪影響
↑はほんの一例です。
とくに見過ごされがちですが、精神面での悪影響はかなりの人が受けるのではないでしょうか。
ロックダウンより緩い緊急事態宣言でさえ2割がうつ状態になってるという発表も…
実際ネットを見てても多くの人が毎日政治家やらいろんな人間にキレてますからね。(前からだっけ?)
このようにロックダウンにはデメリットが確実に存在する一方で、肝心の感染防止効果はあるのかないのかハッキリしない状態。
そう考えると、死亡者も欧米と比べてはるかに少ない日本が、多大なデメリットを負ってまでロックダウンをやる必要性があるとは思えないんですよね。
まあ憲法とかの関係でどのみち日本じゃできないだろうけど…
考え方を変えない限り一生コロナは終息しない
毎日感染者数の増大が叫ばれていますが、致死率は当初と比べ大きく下がっています。
たとえば東京における今年8月14日の感染者数は5094人であるのに対し死者数は0人。
感染者数が増えてる割に死者数はほとんど増えていません。
ここ1か月の致死率を見ると、インフルエンザの致死率よりも低いんですよね。
コロナでは無症状の感染者が多くいることを考えれば、さらに致死率は下がるでしょう。
「コロナには重症者や中等症、後遺症が…」
との声も大きいですが、インフルエンザは毎年1000万人、ピーク時には一日30万人が患うとされています。
コロナほど報道されていないだけで、その中には重傷者や後遺症を発症している人も大勢いるでしょう。
今までのインフルエンザでも今回と同様に恐れていたのなら一応筋は通っていますが、そうではないですよね。
いまだにコロナだけを特別扱いし、毎日感染者数の増減ばかりに目を向け
「ロックダウンだ!」
などと騒いでいたら一生自粛は終わりません。
仮にロックダウンに効果があったとしてもそれは一時的な封じ込め効果。
締め付けをやめれば再び感染者が膨れ上がるでしょう。
一時的に感染者数を押さえられたとしても
「次は○○株!」「次は第○派!!」
というように、キリがありません。
結局のところ、国民がコロナに対する意識を変えない限り、コロナ禍というのは永遠に続くことになります。
医療崩壊などについては下の記事で書いたんでそれを見てください。