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遊戯王カードを一人で楽しむ男

一人遊戯王 その他いろいろ

遊戯王カード。

今30代のおっさんたちは子供の頃に大ブームだったと思う。

同時に遊戯王のアニメも放送していて、クラスの半分以上の男子が見ていた。

そしてボクも遊戯王を見ていた一人だ。

「ペガサス」みたいになりたい。

小学生時代のボクの夢だった。

ペガサスというのは遊戯王に登場する敵キャラである。

↑ペガサス

今見たらどこが格好いいのか全くわからない「ペガサス」というキャラに憧れ、ボクは遊戯王カードを始めた。

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立ちはだかる大きな壁

しかしここである問題が発生する。

小学生時代(も)ボクには友達が一人もいなかったのだ。

遊戯王カードは対戦相手がいて初めて成立するカードゲームである。

しかしボクはどうしても「ペガサスになりたい」というアホな夢を諦めきれない。

苦肉の策でボクは1人2役で自分と戦うことに決めた。

「デュエル!」

「俺のターン!」

「ドロー!」

作中の登場人物になりきり、一人でアニメのセリフを喋りながらデュエル(決闘)を続ける。

相手の手札が全部わかってしまうという致命的欠陥を抱えながらも、ボクは遊戯王カードを朝から晩まで楽しんだ。

しかし毎回同じカードで遊んでいても流石に飽きてしまう。

バリエーションを増やすため、ずっと貯めてきたお年玉を遊戯王カードに使いまくった。

デュエル(決闘)

ある日、なんかの拍子にボクが遊戯王カードを所持してることが学校に広まった。

「この人友達いないのになんで遊戯王カード持ってんだろう?」

誰もが疑問に思ったに違いない。

そんな中、あるクラスメイトがボクを遊びに誘った。

「みんなで遊戯王カードやるから柴崎くんもやろうよ」

クラスメイトに誘われるなんて一体何年ぶりだろうか?

学校が終わったあと、その子のウチに遊びに行った。

他にも4人ぐらいクラスメイトがいた。

(みんなどれぐらい強いんだろう?)

(毎日遊戯王カードの話してるし強いんだろうなあ)

自分以外と対戦したことのないボクは不安だらけだった。

せっかく誘ってもらったのに僕だけメチャクチャ弱かったらどうしよう。。

「デュエル(決闘)!」

決闘の行方

結果から言うと、僕が一番強かった。

もう圧倒的にボクが最強のデュエリストだった。

誰もが不思議に思っただろう。

「何でこの人友達いないのにこんな強いカードばっか持ってんの?」

まさか1人2役で毎日自分とデュエルしてるとは思うまい。

誰よりもまっすぐ家に帰り、自分自身と戦い続けてきたボクは、もはや百戦錬磨のデュエリストだったのだ。

こうしてボクは

「友達いないのになぜか遊戯王カードが強い人」

として6人ぐらいの間で有名になった。

その後、何度かカード交換のために遊びに誘われることがあったが、遊戯王ブームが終焉するとともに一切誘われなくなったのは言うまでもない。