つい先日「新しい文章力の教室」っていう本を読んでみました。
”文章がうまくなるオススメ本”として、多くのブロガーさんが紹介してたから気になってたんだよね。
もう2年もブログやってるワケだから、文章を書くコツみたいもんはモチロン分かってるけどさ。。
でも今よりもっと読者が「おもしろい」「読みやすい」と思ってくれる文章が書ければ、それに越したことはないじゃん?
・・・で、読んだ感想をひとことで言っちゃうと
良くも悪くも教科書的な本
でした。
新しい文章力の教室の内容
「新しい文章力の教室」の具体的な内容はどんな感じかっていうと
- 同じ単語の重複は避けろ
- 文末にバリエーションをつけろ
- ひとつの文を長くしすぎるな
- 漢字とかなをバランスよく使え
みたいな文章テクニックが77個紹介されてます。
でもぶっちゃけた話、ある程度本格的に記事を書いてるブロガーにとっちゃ当たり前の話がほとんどなんだよね。
とはいえ、逆にいま例にあげた内容を
「へ~!そうなんだ!」
と思うような初心者ライターさんや、まとまった文章を書くのが苦手な人にはオススメできます。
一つ一つのテクニックをかなり具体的に解説してるから、そういったテクニックを知らない人にとっては、かなり有益な本になるんじゃないかな?
たとえば
✖ 私のおばさんの三女の会社の社長は有名人です。
〇 私のおばさんの三女が務めている会社の社長は有名人です。
「新しい文章力の教室」より引用
っていう感じでダメな例といい例をあげた後に、ダメな例のどこがどのように悪いのかを丁寧に解説してくれます。
「新しい文章力の教室」の短所
「新しい文章力の教室」には一つ大きな短所…っていうかボクの目指す文章とは合わない部分がありました。
それはズバリ
文章が無難すぎるところ
この本の中で”正解”とされる文章は、ぶっちゃけどうも堅苦しいというか味気ない感じがあるのよね。
実はこの本を書いてる人は、ニュースサイト「ナタリー」の編集長なんだけど、ナタリーに掲載された文章を見ても、やっぱり教科書的でどこかつまらない文章に見えるんだ。
まあ、彼らは”あえて”そういう文章にしてるみたいなんだけどね。
実際ナタリーのメディアポリシーとしてこんな内容が書かれてました↓
肩入れしない、批評しない。感想を書くのはユーザーの仕事
(中略)
ナタリーでは主観を述べるのはユーザーの仕事だと定義しています。
「新しい文章力の教室」より
主観を述べる際のソースとして役立てていただきたい、というのがナタリーの存在意義です。
ナタリーでは事実だけを読みやすく書けばいい。
主観は一切書かずに感想はユーザーに任せる。
・・・これが”ナタリー流”文章の書き方なんだとか。
大手メディアとしては、一つのやり方として間違っていないと思う。
ただ別の言い方をすれば、これはあくまで大手メディアだからこそできるやり方。
ボクら個人がナタリーと同じやり方をしても、情報収集のスピード・量でまず勝てません。
この情報があふれた社会の中でそれをやってもほぼ価値は0。
じゃあボクらは何を書けばいいか?
事実に対して自分の思ったことを書けばいいんですよね。
そしてその際、その人独自の文体みたいなもんで書ければなおよし!
ところがこの本では「主観」や「オリジナル文体」を”不要なもの”とする風潮がある。
この本に書いてあることだけを忠実に守ってると、味気ない退屈な文章になっちゃうんじゃないかな?
・・・ってのがボクの正直な感想なんだよね。
「新しい文章力の教室」で参考になった話
とはいえ、もちろんオリジナルな文章を書くにしても、ある程度基礎はあるに越したことはないし、どんな文章にも共通する守っておきたいポイントっていうものはある。
そんな基礎を学ぶ上で、この本はまさに教科書的な存在といっていいと思う。
これまで300本以上の記事を書いてきたボクにとっては、正直知ってる情報ばかりだったんだけど、それでも中には「あ、コレは気をつけなきゃな」って思う部分も若干ありました。
それをちょっとだけ紹介していくね。
トートロジーを避ける
トートロジーっていうのは、たとえば次のような文章
あのオッサンは、昨日ボクのとなりでションベンをしてたオッサンです。
一見それほど違和感のない文章で、けっこう書いてしまいがち。
でもよくよく見ると、
あのオッサンは…オッサンです、、というように主語と述語が同じになってて、ちょっとクドイ感じになっちゃうんだよね。
このクドイ感じをなくすには
あのオッサンは昨日ボクの隣でションベンをしてました。
って書いたほうがスマートだよね。
「できる」「可能」といったフレーズをなるべく避ける
「~できる」「~が可能」っていう表現ってけっこう便利で使いやすいよね。
でもあんまり使うと文章全体がなんとなくワンパターンになっちゃうんだ。
たとえば、これがダメな文章↓
この消しゴムは文字を綺麗に消すことができる。
消しカスも少なくすることができる。
30円で買うこともできる。
同じ言い回しばっかでなんか飽きるよね。
で、これが上の文章を言い換えたもの↓
この消しゴムの魅力は文字がキレイに消えることだ。
消しカスもほとんど出ない。
価格は30円ポッキリ。
このほかに「こと」「もの」などの良く使うフレーズもあまり多用しない方がいいとのこと。
まあ要は同じ表現を連発するとクドくなるから、できる限り別の言い回しを使えって話だね。
ほかにもけっこう重複してしまいがちなフレーズをこの本ではたくさん紹介してます。
ボクもたまにやっちゃうんで、あらためて気を付けないと。。
「新しい文章力の教室」がオススメな人はこんな人
「新しい文章力の教室」では具体的なテクニックが多数紹介されてるので、「文章を書く基礎」を身につける…っていう意味ではかなり良本だと思います。
実際ボクがもしブログ初心者の時にこの本を手にしていたら、知らないテクニックのオンパレードで感動してたんじゃないかな?
以下のような人には自信をもってオススメできる本です。
一方で
- 元々まとまった文章が書ける
- すでに自分のスタイルを確立している
- ネットで文章の書き方についてかなり調べている
っていう人には、ぶっちゃけ学べる部分は少ないかも?
でもボクもそうだったんだけど、ある程度知識はあっても、この本を読んで
「あ、言われてみればコレは間違った書き方しちゃってるわ」
と改めて気づかされることがいくつかありました。
なのである程度文章を書くのに自信がある人でも
- 抜け落ちてる知識の補完
- 改めて自分の文章を見直すきっかけ
- 今まで得た知識の復習
という意味で、そこそこ役に立つんじゃないかと思います。
おわりに
以上、「新しい文章力の教室」を読んだ感想でした。
これまでいくつか文章本は読んできたけど、ここまで具体的なテクニックが多く解説されてる本はなかなかないです。
ただしこの本をオススメできるかどうかは、その人の今の文章力次第でまったく変わってくるね。
- 文章力に自信がない人・・・
- 元々まとまった文章が書ける人・・・
って感じかな?
人によっては知ってる内容ばっかで、価値のある内容は本全体の数%あるかないか…ということになると思うけど、まぁ本ってのはそういうもんだよね。
むしろ数パーセントでも有益な話があるなら、それは十分その人にとって価値のある本だと思います。
あと、、
あくまでこの本に書いてあるのは基礎の部分で、そこから型にハマらない面白い文章を書くのはまた別の話です。
じゃあ型にハマらない面白い文章ってどうやって書くのさ?
・・・って話になるんだけど、それはまた次回ね。