昨今のコロナ自粛ムードはやり過ぎだと僕は感じる。
もちろんコロナを甘く見るわけではないし、注意するに越したことはない。
ただ最近の自粛ムードはコロナ本体の恐ろしさ以上に恐ろしい事態を引き起こすのではないかと不安なのだ。
なぜ、そう思うのか。根拠を3つほど書きなぐっていく。
毎年100万人以上の日本人が亡くなっている現実
コロナの感染者数や死者数が毎日報道されている。
実際の数はというと
- 累計死者数が60人
- 累計感染者数が2306人
- 重症者数が62人
となっている。(2020年4月2日のデータ)
大変嘆かわしい事態であり、本当にコロナが憎い。
ただ、この数字を多いと見るか少ないと見るかは、まず他の病気などの死者数も考慮しなくては客観的ではない。
そこで総務省統計局ホームページから日本国民の死因別の死者数を調べてみた。
以下はその中から平成30年の死者数を主な死因別にピックアップしたものだ。

コロナは参考までにグラフに追加した。
毎年なんと100万人以上の日本人が亡くなっている。
死因率1位の悪性新生物では実に37万人もの人間が亡くなっているのだ。
ちなみに悪性新生物とはガンのこと。
また、肺炎でも10万人近い死者が出ている。
自殺率は失業率に比例して大きくなる
この中でも特筆すべきは自殺率。
平成30年には2万人以上の方が自ら命を絶っている。
さらに驚くべきことに20代から30代の死因では自殺が一番多いのだ。
厚生労働省のデータによると平成30年に亡くなった20代30代の人のうち約25%が自ら命を絶っている。
そしてこの自殺率だが、注目すべきデータが下記の統計だ。

失業率が1%上がるにつれて自殺者数が約2000人上昇している。
この調子で自粛を続ければ失業率は確実に数パーセントは上がるだろう。
仮に5%上がったとしたら自殺者数は単純計算で10000人増えることになる。
また、自殺まで行かなくとも、失業により人生が一変してしまう人はその何倍、何十倍も出ることが予想できるだろう。
もう一つ失業が自殺につながることを裏付けるデータを下に挙げる。

やはり無職の割合がかなり高くなっている。
よく自粛派の人が言う発言の中で
「自粛しないという人はコロナで亡くなった家族の前でもそんなこと言えるのか」
というものがある。
だがこれはそっくりそのまま逆も言えてしまうのだ。
「なんでも自粛しろという人は失業して自殺した家族の前でもそれが言えるのか」
そう、つまり
「〇〇の前でもそれが言えるのか」
というのは言い出したらキリがないことであり、全くもってナンセンスなのだ。
また、
「感染して他人に移す可能性がある以上控えるべきだ」
という意見もよく目にする。
これまたそんなこと言い出したらキリがない。
たとえば平成30年の交通事故の統計では、
死者数3449人、そして負傷者数は525,846人と相当数のケガ人が出ている。
他人の命を奪ったり、けが人を出したりする可能性は、数値を見る限りこちらの方がはるかに多い。
だからといって
「車は危険だから運転するな」
という者はほとんどいないだろう。
それこそ「不要不急の場面」で車を使っている人間はそこら中にいる。
「リスク0」というのは大半の場合においてあり得ないものであり、みな知らずのうちにリスクとメリットを天秤にかけて生活しているのだ。
ストレスは万病のもとになる
普段健康に気を遣う人でも「心の健康」には意外と無関心な人が多い。
そしてこの心の健康をむしばむ「ストレス」は「万病のもと」になるものとして、科学的データも出ている。
自粛を強要し、強要されるあまりストレスが蓄積し、それが他の病気につながるということは大いに考えられる。
また、ストレスがたまるあまり他者に攻撃的になる人間も最近多く見受けられる。
たとえばイベントを実行した業者や外出をした人を過剰なまでに叩く。
「お前が〇ねばいいんだ」
「老〇が!」
「こういう馬〇がいるから・・・」
などといった汚らしい言葉がはびこっており、これまた恐ろしいのがそんな暴言に対し「いいね」が数千数万と集まっていたりするのだ。
そして叩いている本人たちはそれを「正義」と思っている節がある。
自分と違う意見の人間を人格を否定するほどまでに寄ってたかって叩きのめすのは、ボクから見ると「正義」とは程遠く、むしろそれこそ「自分本位」に感じる。
最近のネットの世論では、外出している人たちやイベントを開催する人たちを「悪」とするかのような風潮がある。
自粛=「命」が救われる=「正義」
自粛しない=他人の「命」を奪う=「悪」
という風な論調だ。
しかし自粛しない当事者たちにとっては、本人や家族、同じ会社の人間の生活が懸かっていたり、外に出て経済活動をすることで救われる命だっていくらだってあるのだ。
飲食店で食事している人たちを「自分勝手だ」と批判するものもいるが、そんな客がいなければ飲食店は今にもまして次々に倒産・リストラが渦巻くことになるだろう。
そして失業率と自殺率の関係は前項で述べたように深い相関関係がある。
とすれば、飲食店側からすれば「自粛をしていない客」のおかげで命を救われてる人だっているということだ。
いってしまえば「過剰な自粛」をすることによって、失われる命だってこれからたくさん出てくるということになる。
おわりに
以上、個人的意見を述べさせてもらった。
コロナが早く収縮してほしいというのは自粛派も自粛否定派も同じものだ。
そして否定派の人間は、最終的に死者数をより抑えるためには、過度な自粛はかえってよくないと考えているワケで、ただ単に自分の欲望を優先して自粛を否定しているわけではない。
論拠は上に述べた通り。
ただ、これが必ず正解かと言われれば、必ずしもそうとは言えない。
立場によって結果的に正解か正解じゃなかったかは変わってくるし、専門家の間でも自粛派と今の自粛はやり過ぎだという者で分かれている。
ただ一つだけ言えるのは、違う意見だからと言って過剰に攻撃的になる今の風潮はいささか異常ではないか?と個人的に思う。